世界有数のバレエの本場、ロシア。バレエ鑑賞も、ロシア旅行の楽しみのひとつです。2019年6月下旬、サンクトペテルブルクに行ったときに、ミハイロフスキーMikhailovsky劇場(旧レニングラード国立バレエ団の本拠地)でバレエ鑑賞をしたときの記録をまとめました。
サンクトペテルブルクでバレエを見るならどの劇場?
ロシア観光の目玉の一つ、バレエ鑑賞。芸術の都サンクトペテルブルクでもあちこちの劇場でバレエを観賞することができますが、いろいろありすぎて、どこを選んだらよいのかとまどいます。
せっかくなので、ロシアを代表するオペラ・バレエの殿堂、マリインスキー劇場が希望だったのですが、滞在予定の期間中にバレエの公演はなし。
日本語ガイドブック「地球の歩き方」と「るるぶ」に掲載されているのは、以下の5劇場。
歩き方 | るるぶ | ||
マリインスキ―劇場 | ○ | ○ | ロシアを代表するオペラ・バレエの殿堂。さまざまな演目のオペラとバレエを上演 |
ミハイロフスキー劇場 | ○ | ○ | なんと日本語サイトまである人気の名門バレエ団(旧レニングラード国立バレエ)の本拠地。さまざまな演目のバレエを上演 |
エルミタージュ劇場 | ○ | ○ | エルミタージュ美術館併設の劇場。連日「白鳥の湖」を上演 |
アレクサンドリンスキー劇場 | ○ | ー | お芝居がメインの劇場だが、夏期は連日のようにバレエ「白鳥の湖」を上演 |
ミュージカルコメディ劇場 | - | ○ | ミュージカルやオペレッタが主力の劇場だが、夏期は連日のようにバレエ「白鳥の湖」を上演 |
(注:サンクトペテルブルク音楽院の劇場、リムスキー・コルサコフ記念劇場は、バレエ公演に関する情報を公式サイトで見つけられなかったので、割愛しています)
観光客むけでよいので絶対「白鳥の湖」を見たい!というのでなく、レベルの高いバレエ団のきちんとしたバレエが見たいと思った場合、ミハイロフスキー劇場がよさそうです。
毎日「白鳥の湖」を公演しているのが、悪いわけではなく、当然ちゃんとしたプロのダンサーさんたちが踊っていらっしゃるのでしょうが、わざわざサンクトペテルブルクまで行って、一度もバレエを見に行ったこともない人たちがわんさか見に行く公演に行かなくてもいいかな、と思った次第。
どのバレエを見るか、選ぶ基準は?
バレエのどの演目を選ぶかの基準は、バレエ鑑賞に何を求めるかによって人それぞれ。普段バレエに興味はないけど、ロシア旅行の記念になんでもいいからバレエを見たい、というのであれば、超定番の「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」あたりが、聞きなれた音楽でとっつきやすそう(毎日やっている劇場もありますし)。もちろん、滞在スケジュールや予算、空席状況なども、重要な要素となってきます。
一方、題目はなんでもいい場合、
- せっかくなので一番いい席で見たい!(両サイドの席は舞台の一部が見えないことがあります)
- 豪華で雰囲気のある劇場で見たい!
- こじんまりした劇場でなるべく舞台に近い席で臨場感を味わいたい!
という基準もありますし、できるだけ安価で、でもいい席で見たい!という基準なら、マチネ(昼間)の公演を狙う手もあります(詳しくは下で説明します)。
でも、せっかくバレエの本場、ロシアまで行くのです。普段ならなかなか見ることのできない、圧倒的に質の高いバレエを見たい!と思うなら、もし機会があれば、有名なダンサーが出演する公演を選ぶ、というのが個人的にはおすすめ。
特に、男性ダンサーがフィーチャーされている公演は、筆者的には絶対見逃せません!
その理由は、NY在住時に見ていた世界最高峰のバレエ団、アメリカン・バレエ・シアターのバレエ。もともとバレエは好きで、よく見に行っていたのですが、アメリカン・バレエ・シアターのバレエ、特に男性ダンサーの踊りには、衝撃を受けたのです。
パワフルでエネルギッシュな躍動感、そこだけ重力がなくなったかのような圧倒的軽やかさ…言葉ではうまく表現しきれませんが、美しいだけではないバレエの魅力に圧倒されたのです。それは、筆者だけではなく、ドイツで働いていたときの日本人男性同僚も同じことを言っていたことから、バレエファンなら誰もが知っている常識、なのかもしれません。
あんまりメジャーじゃないバレエ「海賊」を選んだわけ
サンクトペテルブルクに滞在期間中のミハイロフスキー劇場の公演スケジュールは、下のとおり。
このなかでは、くるみ割り人形Nutcrackerが一番メジャーですが、6月にくるみ割り人形というのも、季節外れ(クリスマスの話なので)。シンデレラがわかりやすそうかな、と思いましたが、Le Corsaire(海賊)に、アメリカン・バレエ・シアターにも出演していたイワン・ワシリエフ主演との注意書き発見!
しかも、他のバレエ公演のチケット料金が700~7500ルーブルに設定されているのに対し、この公演だけは、1000~1万ルーブルと高めの設定。
一番端っこでしたが、最前列席が購入可能だったので、同行者に相談して、早速購入。ワシリエフ、旬はすぎてしまっているかもしれない感はありますが、すごく楽しみ!(ところがどっこい、ワシリエフ様はケガで当日まさかのキャンセル!)
スターダンサーは出演しませんでしたが、男性ダンサーがところせましと跳躍し、片足でこれでもかと連続して回る舞台は、体育会系も真っ青のエネルギーむんむん。コミカルで楽しいシーンもある舞台に、普段は、自らの意思ではなく、筆者につきあってバレエにも行く夫も、サンクトペテルブルク旅行で一番印象に残っていることとして、このバレエを挙げるほど(!)バレエの魅力に開眼してしまったようです。
ミハイロフスキー劇場はこんなところ
ミハイロフスキー劇場は、市内中心部の便利な場所にある劇場。
内装は普通にクラシックな落ち着いた雰囲気。
最前列の席を購入したので、オーケストラボックスはかぶりつき。
幕間の食べ物やドリンクも充実していました。
観客の服装は、ネクタイやスーツの男性もいましたが、どちらかというと、いたって普通な堅苦しくない雰囲気でした。
ミハイロフスキー劇場バレエチケット購入はオンラインで簡単!
ミハイロフスキー劇場バレエチケットのオンライン購入をまとめてみました。
公式サイト上方のPlaybillをクリックすると公演スケジュールが表示され、選んだ日付と演目右はしのbuy ticketをクリックすると、チケット購入画面へ
6月下旬の公演を、3月末に調べた段階で、めぼしい席は既に満席。おそらく代理店が買い占めて、直前になったら売れ残りが放出されるのだろう、と思いつつ、せっかくなので、一番前の席を確保。
オペラをかなり奮発したので、安めの席でもよいかなと思ったのですが、後ろの方の席はあまりよく見えないとの情報があったので、一番端でしたが、最前列をクリック。
内容があっていることを確認してcheckoutをクリック
アカウントがないため、新規登録すべくregisterをクリック
旅行手配であちこち登録して、パスワード管理がだんだんめんどうになってきたので、ついにFacebookでログインするため、fをクリック
個人情報を取り扱うことや条件に同意する、をクリック
名前とメアドは、Facebookから自動登録、連絡先番号を記入して、Checkoutをクリック。
これで注文は終了。引き続き支払いに行きます。
外部サイトの支払い画面です。
カード情報を記入し、支払いするPay nowをクリックすると、カード発行会社の決済画面に行き、そこで決済手続きをすると、チケット購入完了です!
これでチケット購入完了です!
しばらくすると、メールでチケットが送られてきました。印刷して持参するほか、スマホに表示して示せばよいだけです。
お得によい席で鑑賞するならマチネ(昼間公演)がねらい目!
ミハイロフスキー劇場に限らず、多くのパフォーマンスでは、マチネとよばれる昼間公演が設定されていることがあります。日中は観光が分断されてしまったり、昼間しか開いていない観光施設の観光の時間を犠牲にするなどのデメリットもありますが、価格が人気のある夜の時間帯の公演に比べるとお得なだけでなく、比較的よい席を確保することができます。
たとえば、このミハイロフスキー劇場の同じ日付の同じ演目の公演でも、マチネ(13時からの公演)の場合、チケット料金は400~5000ルーブルと、夜の公演に比べて格安なのに、まだまだいい席があいています。
同じ日の夜の公演(19時半スタート)は、チケット価格が700~7500ルーブルと、マチネに比べると約1.5倍ですが、見やすいいい席はほどんど売り切れ状態となっています。
ロシアでたくさん本場のバレエを満喫したい!というような場合や、夜に出かけるのはちょっと怖い、というような場合、夜の公演はいい席が売り切れちゃった!いうような場合は、マチネを狙うのも、おすすめです。
おわりに
スター出演者のドタキャンは、とても残念で詐欺じゃないかと思いましたが(実は、2日前のオペラでもドミンゴ、ドタキャン(爆!))、代役のダンサーのレベルも充分高く、女性バレリーナたちも大変美しく、悪役のペルシャのパシャやその他のペルシャ人たちがコミカルでとても楽しい公演でした。
もちろん、バレエに行く前は最低でもあらすじを、できればYou tubeなどで曲目や映像などを予習しておくと、もっと楽しめるので、おすすめです。
コメント